出版企画書より前に確認する、著者選びの3つのポイント

こんにちは。339PLANNINGのこんちゃん(今野正輝)です。
出版の企画をしていると、こんな質問をよくいただきます。
「どうやって著者を見つけているんですか?」 「お声がけする人と、そうでない人の違いってなんですか?」
企画書を書く前の段階で、私が必ずチェックしていることがあります。今回は、著者の方にお声がけする前に見ているものを、実際の出版事例をもとに書いてみます。
 
 

出版企画の核心は「ストーリーが見えるか」にある

著者候補の方を探すとき、私が最初に確認するのは「この人の発信を見て、ストーリーが浮かぶかどうか」です。
本も、イベントも、コンテンツの核にあるのはストーリーです。
どんな経緯でその仕事をするようになったのか。何を大切にしていて、誰に向けて発信しているのか。そういった文脈が、発信の中からじんわりと伝わってくるかどうか。それが読み取れる方に、出版企画を進めています。
 
 

公式サイトから伝わる著者のストーリー(Rome .photograph misatoさん)

2022年に339BOOKSから出版した『おしごとカメラ手帖』。著者のmisatoさん(Rome .photograph)にお声がけしたのは、公式サイトストアカのページを拝見したことがきっかけでした。
misatoさんとはもともと、プロフィール写真の撮影でお世話になっていました。だからある程度のことは知っていた。それでも、改めて外側から見てみると気づくことがあるんです。
トップページを2枚見ただけで、こんなことが伝わってきました。
・顔と名前が一致する ・「撮る仕事」と「教える仕事」の両方をされている ・講座の実績が当時150件ほどあった ・カメラに関する読み物コンテンツも更新されている ・オリジナルのカメラグッズも開発・販売されている
ページをさらっと見ただけで、この5つが伝わってくる。そしてこれはバラバラな情報ではなく、「カメラを通じて人に何かを届けたい」という一本の軸でつながっています。それが「ストーリーが見える」ということだと思っています。
 
 

SNSの発信から見えた著者の強みとかけ算(あぷりこっとさん)

2024年に出版した『毎日のかんたんヘルシー低脂質ごはん』の著者・あぷりこっとさんには、Instagramの発信を拝見してお声がけしました。
あぷりこっとさんの発信には「料理×低脂質×毎日のお弁当・家族ごはん」というかけ合わせがありました。「無理なく体に優しい食事を家族に届けたい」という想いがはっきり伝わってくる。
発信を見ながら、「この方の本を読みたい人が具体的に見えた」という感覚がありました。ダイエット中の方、家族の健康を気にかけている方、忙しい中でも食事を丁寧にしたいと思っている方。届く読者像がくっきり浮かんだとき、お声がけしたいという気持ちが固まりました。
 
 

食という体験と著者が育てていたコンセプト(渡邊真澄さん)

同じく2024年に出版した『お箸で食べるスパイスごはん』の著者・渡邊真澄さんへのお声がけには、少し違う経緯があります。
真澄さんのSNSを見て気になっていたのは「和食×スパイス」という切り口でした。「スパイス=カレー」というイメージが根強い中で、和食の食卓にスパイスを自然に溶け込ませるという発想は、私にとって新鮮でした。スパイス一汁一菜のような考え方が、日常の食卓に広がっていく可能性を感じていたんです。
そして出版の1年ほど前、真澄さんが開催されていたランチイベントに実際に参加して、料理をいただきました。そこで実際に食べてわかったことは、「和食の文脈でスパイスを使う」というコンセプトが、料理としてちゃんと成立している。日常の食卓に出てくるものとして、無理がない。
さらに印象的だったのは、真澄さんがそのコンセプトをご自身で育て、発信の中で展開されていたことです。こちらが「こういう本はどうですか」と持ちかけるのではなく、真澄さんが発信を通じてすでに自分の世界観を形にしていた。だから企画書を作る段階でのブラッシュアップが深く進んでいきました。
出版企画書に落とし込むとき、著者がすでにコンセプトを持っているかどうかは大きな差になります。真澄さんの場合は、その土台がしっかりあった。
 
 

強みが混ざって交わることで「著者の魅力」に変わる

強みを魅力に変えていくためには、強みのかけ算と、強みが交わるポイントの両方を探していくことが必要です。これは単に複数の得意なことがあればいいということではありません。
強みをかけ合わせていくと、その強みの中に共通する価値観が見えてきます。この共通する価値観と強みが交わるところに、その方ならではの想いや魅力が宿ります。そしてその魅力が、発信を見た人に伝わること。それが「著者としての魅力」が生まれる瞬間です。
人とストーリーが見えると、コンテンツに説得力が生まれます。説得力があると、読んだ人が動きたくなります。読者に動きが生まれると、それは価値になっていきます。
 
 

企画の種はストーリーから生まれる

こうやって見えてきた魅力とストーリーをもとに、「この方とこんな企画を作ったら、こんな人の役に立てるかも」という仮説を立てます。私はこれを「企画の種」と呼んでいます。
逆のパターンもあって、「こういうイベントを作りたい」と思ったときに「あの方ならこの文脈に合うかも」とつながっていくこともある。
どちらの場合も、起点になるのは同じです。「この人のストーリーがちゃんと見えているか」。出版企画書を書き始める前に、いつもそこから考えています。
あなたの発信の中にも、誰かの目に留まっている「企画の種」があるかもしれません。
 
 

 
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