読めない本との付き合い方/ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』

 
こんにちは。339PLANNING広報担当ライター・りこです。
「読んでみたけど、何が書いてあるか分からなかった」という本が、本棚の一冊にあることはないでしょうか。読み切れないまま、でも手放せずにいる、そういう本です。
今回のPodcast「こんちゃんの本棚からひとつかみ」第13回では、そんな"読めない本"の代表格ともいえる一冊が紹介されました。ウィトゲンシュタイン著『論理哲学論考』(岩波文庫)です。
この記事では、本の概要と特徴、どんな場面でこの本が役立つかをまとめています。
 

『論理哲学論考』とはどんな本?

著者のルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインは、20世紀最大の哲学者の一人とよばれるオーストリア出身の哲学者です。
この本の最大の特徴は、その構造にあります。一般的な文章ではなく、「命題」と呼ばれる箇条書きにナンバリングが振られた形式で書かれています。「1の1」「1の2」「1の2の1」のように枝分かれしていく独特のスタイルです。
岩波文庫版の本編は151ページと薄く、後半には別の研究者による解説と訳注が収録されています。内容を一言で表すなら、「言葉で言えることと言えないことの境界線」を論じた本です。世界は「モノ」ではなく「事実(出来事)の集まり」である、という前提から議論が展開されます。
 

こんな人におすすめ

  • 哲学や言語哲学に関心があり、原典に触れてみたい人
  • 「言葉にできないことがある」という感覚を持ちながら、その理由を考えたことがある人
  • 読めない・難しい本との向き合い方を変えてみたい人
 

「語れないこと」を哲学する本

本書の中心にあるのは、言語と世界の関係です。「言葉で語り得ることのみが事実である」という立場から、言語化できることとできないことの境界が論じられています。
もっとも有名な一文は「語れないことについては、沈黙しなければならない」というものです。これは「言葉にできないものは存在しない」という意味ではなく、言語の限界の外に置かれているものがあることを示しています。
SNSや情報発信が当たり前になった現代において、「言葉にしない方がいいこともある」という視点は、シンプルながら鋭い問いを投げかけてきます。こんちゃんは今回のエピソードの中で「言葉にできないことはどうしてもある。そういうこは無理に語る必要もないのでは」と述べています。
 

読み切れなくても、持っていていい

こんちゃん自身も、この本をまだ読み切れていないと正直に話しています。世界の難読書としても知られ、読んでいると「頭がぐちゃぐちゃになる」と感じるほど難解だそうです。
それでもこの本を紹介したのは、「読めない本との付き合い方」そのものに気づきがあったからです。たまに開いてみる、スマホで言葉を調べながら読む、解説記事や動画を参照する、著者のことを調べてみる――そういった小さな関わりを重ねていくうちに、「あ、ちょっとこういうことを言ってるのかな」という発見が訪れることがある。読み切ることだけが、本との関係ではないということです。
 

まとめ:難しい本との付き合い方

  • 本編151ページの薄い本だが、内容は20世紀哲学の核心に触れる難解な一冊
  • 「言葉で語れることの限界」をテーマにした、言語哲学の古典
  • 読み切れなくても手元に置き、少しずつ関わっていくという読書の楽しみ方がある
読める本だけが大切な本ではない、という視点は、本棚の持ち方や読書との向き合い方をすこし軽くしてくれます。
今回のエピソードでは、こんちゃんが「なぜこの本を紹介するか迷ったか」「どのように読んでいるか」をより詳しく話しています。
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