あわい・遊泳舎編『言の葉連想辞典』は「語彙力を鍛える本」とは何が違うのか

「もっと語彙力を増やしたい」と思いながら、語彙力本を読んでも続かなかった、という経験はありませんか。
語彙を増やすことと、言葉の世界を味わうことは、似ているようで少し違うことかもしれません。
 
339PLANNINGのこんちゃんが配信するポッドキャスト「こんちゃんの本棚からひとつかみ」第7回では、その違いを実感できる一冊として『言の葉連想辞典』を紹介しています。
この記事では、本の概要と特徴、どんな場面でこの本が役立つかをまとめます。
 

■ 『言の葉連想辞典』とはどんな本か

『言の葉連想辞典』は、イラストレーター・あわいさんのイラストと、出版社・遊泳舎の編集によって作られた本です。著者名の表記はなく、イラストと言葉が主役になっています。
本の構成は、自然・色・季節・感情といったテーマごとに分かれており、各テーマにまつわる言葉とその意味、あわいさんのイラストが並んでいます。たとえば「海」のテーマであれば「渚」「瀬戸」「澪」「波の花」といった言葉が収録されています。「ひらめく」というテーマでは「一閃」(瞬く間にピカッと強く光ること)や「天啓」(神の教えや導きのこと)のような、着想に関わる言葉も登場します。
こんちゃんはこの本を書店で平積みされているのを見かけて手に取ったそうです。 まず装丁の美しさが目に入った、と。
一般的な辞典との大きな違いは、調べることより味わうことを目的として作られている点です。「絵本のように読める辞典」という表現がいちばんしっくりきます。
 

■ こんな人に向いている

・キャッチコピーや見出しの言葉を考える仕事をしている人
・「ヤバい」「エモい」以外の言葉で感情や情景を表現したいと思っている人
・じっくり読むというより、パラパラめくる読書を楽しみたい人
・装丁の美しい本を手元に置きたい人
 

■ 「検索して答えを出す本」ではない理由

語彙を増やす本の多くは、言葉の意味を覚えることを目的としています。一方、『言の葉連想辞典』はテーマから関連語へと連想が広がっていく構造になっています。
情景・感情・季節・色といった要素と言葉がセットで紹介されているため、「この感じを表す言葉は何だろう」という探し方に向いています。ひとつの言葉を覚えるためというよりも、言葉の世界観ごと体験することで、表現の引き出しがじわじわと広がっていく感覚があります。
編集やWebディレクションの現場でキャッチコピーや見出しを考えるとき、「なんかいい言い回しないかな」と感じる場面は少なくないと思います。そういうときに辞書を引くのとは少し違う、言葉との出会い方ができる本です。
 

■ リラックスしたい日の一冊としての使い方

仕事の参考として使う場面だけでなく、ガッツリリラックスしたい日にカフェや喫茶店へ持っていく本としても向いています。
パラパラとめくりながら、知らなかった言葉に出会う。それだけで贅沢な時間に感じられる一冊です。「語彙力を鍛える」という目的意識を手放して、ただ言葉の景色を楽しむ時間のための本。そういう読み方ができる一冊は、本棚に一冊あると使い所が広いと思います。
 

■ まとめ:『言の葉連想辞典』が向いている読み方

・語彙を調べるのではなく、言葉の世界観を味わう
・テーマ(海・月・色・感情など)ごとに関連語を連想しながら読む
・イラストと言葉がセットになっているため、視覚的に楽しめる
・キャッチコピーや表現を考える仕事のそばに置いておくと参考になりやすい
・リラックスしたい日のカフェ読書にも向いている
 
言葉の解像度が上がると、感情や状況をもっと細かく表現できるようになります。「あの気持ち、なんて言えばいいんだろう」と止まることが多い方は、一度手に取ってみてください。
エピソードの詳細はこちらのポッドキャストでも聴けます。